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  • 執筆者の写真Salla

夏の午後にする藍染め。

 昨日は今年初めての藍染をしました。

 自宅の庭でタデアイを栽培するのはこれで4年目なのですが、今年は梅雨が長引いたせいなのか連作障害なのか(新しい土に交換したものの)虫に食べられたのか(お薬も撒いてみたものの)驚くほど全く育たずで、途方に暮れたこの初夏でした。


 不幸中の幸いというか、昨年栽培したものから自然に落下した種から発芽した株が花壇の周囲に幾つかあってそれらをプランターに移し変えていましたのでそれらからほんのちょっぴりですが収穫。

 例年ならこの週末は草木染のワークショップ時期でしたがコロナの影響で断念しています。しかしこれはもし開催出来ていても難しい量だったのではと落胆しつつ…。もちろんそれも想定内で、その場合は昨年や一昨年に収穫して乾燥させておいたタデアイの葉(これは多量にまだある)を還元して染めるという内容に変更するのつもりではありましたが、やはり生葉の鮮やかなブルーはこの季節ならではのもの。何とか今からでもリカバリー出来ないかなと残った小さな株を育てているところです。


 かろうじて収穫できた生葉で染めたのは、秋冬に使うためのウールのストール。

 2年ほど前にやはり自宅で採れた生葉で染めたものでヘビーユースしていたのですが、お洗濯を繰り返すと色褪せがしてしまったので再度染め直しました。


 タデアイの生葉染めというのはちぎった葉と水をブレンダーにかけて濾過した液に布を浸すだけの作業で非常に簡単なのですが、時間をかけてやると色味がくすむため手早くする必要があります。短時間でさっと作業をすることで目の覚めるような鮮やかなスカイブルーに染め上がります。お天気が良いと尚良い…気がします。少量だからと気にせず手袋なしで染めてしまったので爪が少し青くなってしまいました。

 

 晴れた夏の日に、美しい水色に染め直されたストールがベランダで風にはためいているのを見ると何とも言えず幸せな気持ちになります。

 こうして色褪せしたものを繰り返し使い続けるために染める、というのは実のところ初めてでした。草木染は化学染めのような堅牢さはありませんが、移り変わりを受け入れながら楽しむ余白があると感じます。

 久しぶりの染めの作業でしたが、この余白、或いは心のゆとりを提供してもらえる時間を存外愛していたのだなぁと感じた夏の午後でした。

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